今回は車いすのフィッティング(身体に適切な車いすを合わせること)をご紹介します。
その前に車いすを利用するにあたってのワンポイントアドバイスです。
☆車いすに長時間乗っている場合は、姿勢を変える時間を持ちましょう。
☆身体状況、日常生活(環境)、介護状況、使用もう区的などを踏まえて選択しましょう。
☆デザインや操作性も大切です。
☆できるだけ車いすのことがわかる人に相談しましょう。
☆車いす用のクッションを敷くことで、姿勢がずっこけなくなったり、痛みが緩和されます。
☆外出では日差しが強いときや寒いときなどは車いすに乗っている方が感じる気温にも注意しましょう。
☆狭い場所ではアームレストから手や腕が出ないようにしましょう。
☆電車に乗降するときにプラットホームで待つ間は、乗降口に向かって横向きにします。プラットホームは乗降口方向が坂になっています。
☆エレベーターを利用する場合はエレベーター内に設置されている鏡で後方の確認をします。また、エレベーターと床面に隙間がある場合も車輪が挟まらないようにしましょう。
車いすを利用される方は歩くことが困難であるばかりでなく、腰痛・麻痺・筋力低下・関節拘縮(関節が固まり動かなくなること)・座位バランスの低下など様々な身体機能の低下がみられます。
その身体機能に合った車いすを選ぶと同時に、身体機能に車いすを合わせることが非常に大切になります。このように「身体に適切な車いすを合わせること」をフィッティングといいます。
洋服で考えてみましょう。私たちは洋服を買うときによく試着をします。選んだ洋服が体に合っているかどうか、色合いが合っているかどうかなど洋服売り場の店員の方と一緒にフィッティングを行います。
でも試着室でよかったからといって、買ってはみたものの実際に着てみると、他の場面で不具合があることはありませんか。
車いすで考えてみると小柄な方が大きな車いすに座り、身体が斜めになってしまったり、大柄な方が小さな車いすに座り大腿部が車いすのパイプにあたってしまったりしているところを見かけることがあります。
体のバランスを取ることができずに斜めに座った方につっかい棒のようにタオルを敷きこむと窮屈でたまらないでしょう。
歳をとると身体が丸くなってしまう円背(えんぱい)姿勢では車いすの調整を行わないと前かがみになってしまいます。
体を自分で動かすことができずに車いすに座っていても「座っているだけ」では楽な姿勢になっていないということです。楽な姿勢で座れるように車いすを選んだり調整すること、すなわちフィッティングが重要になります。